FC2ブログ

雨音のする画廊

All The Things You Are



先週のある日の夕方、何気なく阪急に乗ろうとしたら、
切符売り場が長蛇の列であった。

「しまった!宵山だった!」

その前の週に納品に行こうとして、
市内中心部のあちこちで鉾建ておよび通行止めに遭遇しているのだから、忘れていたほうがおかしいのだが、
とにかく切符売り場は一杯だった。
こんなときのために「ラガールカード」(関西の私鉄で使えるプリペイドカード)の残額10円とかのやつを財布に入れている…
はずだったのだが、
折悪しくそれも無くて、おとなしく列に並ぶ。

でも、周りの浴衣姿を観察していると、たいして退屈はしなかった。
若い女の子が着ている柄がまるで駄菓子のような色合いで、
可愛いと言えばまあそうなのだが、
見た目に涼しくて粋なのはやっぱり藍と白やね、と例年のとおりの感想を持った。

しかし一時出ていた変形浴衣(ミニ丈とか襟あきが異常に広いとか)ほどに不細工なものは見あたらず、
なんとなくほっとした。




さて、
以前、なにかの本で、ある評論家のかたが、ジャズ初心者のためのアドバイスを書いていた。

とにかく「好きな曲」をひとつ見つければいい。
それがいわゆる「ジャズ・スタンダード」ならば、そこからいろんな奏者で聴くことにつながるよ。
…というような内容だった。


私の場合も、やはりこんな感じで親しんでいったのを覚えている。


すこし以前にも、とあるライブで、私のその「一曲」をリクエストさせていただいた。
あまりにもスタンダードすぎてちょっと恥ずかしかったのだけれど、
ユニットの皆さんがお馴染みのメンバーだったので、構わない(笑)




DSCN1219_20140720223520848.jpg
▲ヴォーカルは中崎あきこさん。「歌詞が高尚すぎた歌」という前フリつきで!



「All The Things You Are」である。


いわずと知れたセッションでの定番曲だが、
なぜかヴォーカルで聴くといかにもたっぷりとして、「昔のミュージカルの曲」という大時代な感じがする。
いまにもフォン・トラップ一家が木立から顔を出しそうなのだ(いや、嫌いじゃないですが)。

が、なにわの歌姫中崎さんとその一味(笑)にかかると、
見違えるほどお洒落で粋な歌になってしまい、感心しきりだった。



この曲に出会ったのは、本当にジャズを聴き始めたころだった。


少し前の「ろくでなし」の記事で、「ジャズの先生」のことをちょっと書いたが、
先日とうとうその先生に「こういうブログやっています」と言ってしまった。
言ったからといってご覧になっているとは限らないが、
もし読まれたら「あいつずいぶん生意気なこと書いてるな」と思われるのは必至である。

特に音楽関係のことは書きにくいのだが、
もう開き直って書くことにする(笑)



…お借りした数々のアルバムの中でも最初のほうにあったのが、
「Jazz At Massey Hall vol.1/ The Quintet」だった。

名盤中の名盤だが、
この中でなぜか解説をスルーされているのが、くだんの「All…」である。
この曲だけ違うセッションのをここに入れ込んでいるらしい、
ピアニストも違うし、ミンガスのベースも後付けだし、というわけなのだ。

それでも初めて聴いたこの曲は、
転調が多くスリリングで、なおかついかにも「ジャズっぽい」哀愁ももっていて、すぐ大好きになった。

(パーカー×ガレスピーのキレキレの演奏がいかに凄いかというのも、後になってわかってきた)



もうずいぶん以前の話だけれど、
今でもこの曲がライブで聴けると嬉しいし、
知らないアーティストのCDでもこれが入っていると聴いてみたくなる。


通がお寿司屋さんで最初に必ず何々を頼んで…
みたいな、
いや違いますね(笑)



勉強不足でいつまでもジャズに詳しくはならない私だが、
それでもこういう一曲に出会えて良かった、と思っている。



関連記事
スポンサーサイト
  1. 2014/07/20(日) 23:02:10|
  2. 音楽

プロフィール

猫足

Author:猫足
京都生まれ、本業は工芸デザイン。
なのに趣味も絵。われながら不健康だと思います。


〔筆者近況〕

夜間によく吠えてうるさかった近所の犬が、
しばらく屋内にしまわれていたのだが、
最近、外の犬小屋に戻ってきた。

彼は、このひと夏で何か学習したのだろうか。


しばらく観察します。

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (69)
絵 (67)
京都 (27)
音楽 (30)
本 (5)
服装 (5)

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR