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雨音のする画廊

プロを名乗るということ




コートの袖に小さな、しかしちょっと目立つ染みがついていたので、
チェーンのクリーニング店に持って行った。

手仕上げとかいう少し高いのをお願いしたのだが、
染みは全く取れていなくて、
「これ以上やると生地が傷むので~、はい~」と平たい声で言われて帰ってきた。



むむう。
いい加減着古したコートなのだが、何かくやしい。

検索をかけてみると、勤務先の近所に染み抜き専門の職人さんの工房があったので、持ち込んでみた。



結果からいうと、先にクリーニングでプレスなどしてしまったために染みは落ちにくくなってしまっていたのだが、
さすがにここは京都、
「地直しやさん」と呼ばれる染物業界のプロフェッショナルはそれでは済まさない。

(※「地直しやさん」=正式には「染色補正士」)


染みの上に色をのせて、着られる程度に目立たなくしていただいた。
(さらっと書いたが、色を合わせるのってすごく難しいのだ)

しかも、「染みは落とせていないのでお代は結構です」って…!



ひたすら申し訳ない気持ちになったが、
優しそうなかただったので、お仕事について少しばかり質問してみた。

年末のこととて、けして広くはない工房内には、
順番待ちの衣類(やはり和服のほうが多いようだった)が積み上げてあったのだけれど、
いろいろお話してくださった。
(お邪魔してすみませんでした)



いわゆる染色作家などと違って、目立つ仕事ではないけれど、
技術と創意工夫でもって、お客の要望に応える。


プロフェッショナルを名乗るもの、すべからくこうでなくては…
と、思い新たにコートを抱えて帰りました。




(蛇足ではありますが、
筆者は、一般的なクリーニングの仕事を否定しているわけではありません。
衣類を丸々洗って仕上げてくれる業者さんとは別に、
染み抜きのスペシャリストが存在する、という話。

ちなみに、京都・西院の「なをし屋」さんという工房です。宅配でお願いすることもできるそう。ちょっと宣伝)





それより少し遡るが、今月の初めに行ったジャズのライブでは、
偶然プロのイラストレーターさんにお会いした。


ハコは大阪・梅田のJazz On Top。
その日の出演は、フィリップ・ストレンジ(p)、荒玉哲郎(b)、斎藤洋平(ds)、
…という、
泣く子も黙る最強のピアノ・トリオ!


私はここでスケッチをしたことはないが、
ふと気が付くと、じつに楽しそうに描いていらっしゃるかたがいて、
気になったのであとで見せていただいた。





DSCN1922.jpg
▲フランス人アーティスト、ティエリさんのスケッチ





(会話の主な部分は、当夜ご一緒した、英語堪能のM先生による)



まず目についたのは、ピアノの蓋の映りこみが素敵!ということだったが、
描き手の感じた楽しさ、というかノリが、そのままに伝わってくるタッチが素晴らしいですよね。

そして、全体に漂う、まごうことなきお洒落感



…真似のできない「センス」という壁を見上げながら、
自分もまた、
プロを名乗る以上は、投げやりにすることなく精進しようと思いました。






私みたいなものに仕事を頼んでくださった方々、
そのみんなの期待を、
わずかでも上回れるように。














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  1. 2016/12/20(火) 23:40:46|
  2. 未分類

プロフィール

猫足

Author:猫足
京都生まれ、本業は工芸デザイン。
なのに趣味も絵。われながら不健康だと思います。


〔筆者近況〕

よく乗るバスが某女子大を通るので、
そこの学生のファッションを観るのが面白い。

夏の終わりからファーの帽子を被っているかと思うと、
秋が深まっても素足に短いソックスを履いている。

ああ、
外気温に左右されないのが若さというものだ。
…としみじみ思う傍観者です。

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