雨音のする画廊

描く、描かれる、そして見られる



いやもう無茶苦茶に暑いわけですが、皆さま、ご無事でしょうか…?


当ブログの説明欄に「暑いと更新しなくなる」と書いておくべきではないか。
…と思ったが、
更新しなくても誰も困らないので、威風堂々と遅らせております。




さて、お馴染みのジャズライブのお店、
三条御幸町・le club jazzに行くときは、必ず何か「描くもの」を持っていく。


この日もペンケースを持ってはいたのだが、
仕事のあと画材店に買出しに行き、写真家N氏のギャラリーをのぞき(この件については改めて)、さらに歩いて納品に行き、
(祇園祭の後祭が終わった翌日で、京都の街中歩き放題ではあったのだが)、
夜になってもねちっこく残る暑さにいい加減参って、ふらふらと到着した。


ドアを開けてマスター加藤さんの顔を見るといつでもほっとする。
…のだが、
たいていこの時点で疲れているので、画材を持っていても、描かない気まんまんである。


しかし、一杯のお酒の力というのはおそろしいもので、
ほんのりいい機嫌になったときに、素敵なミュージシャンのかたが目の前で演奏されていると、
描かんわけにはいかん、という気持ちになってしまう。

ましてこの日は、以前から「横笛(=フルート)のひとを描いてみたい」と思っていたのがかなう機会だったのだからなおさらだ。




DSCN1628.jpg
▲左から、斎藤洋平(ds)・久家菜々子(fl)・角田浩(org)の各氏



フルート・オルガン・ドラムスという珍しい編成だが、
これがなんというか、蒸し暑い夏の夜にぴったりのジャズを奏でる素敵な組み合わせだった。

久家さんのオリジナル「水縹」(みずはなだ)
透明感溢れる美しい曲でした。

(※「縹」は、藍染で得られる青色の一名)



DSCN1629.jpg
▲なんでフルート奏者には綺麗な女性が多いのか


…そしてオルガンというもの、
この角度からでは角田さん(ルクラブジャズの顔、ハウスピアニスト)が机に向かっているようにしか見えない…。

「勉強してるみたいですね」「弁当食べてるかもしれん」
(↑名機B-3様に失礼すぎる発言の数々)



DSCN1630.jpg
▲髪、さらっさら☆の実力派ドラマー・斎藤さん。クールな感じですがほんとはかなり面白いかたです



目の前にキャンバス、でなくテーブルに敷かれたクラフト紙が広がっている。
一杯機嫌でペンケースを取り出し、こっそりスケッチし始めた。

と、最初の休憩でマスター加藤さんが、
「お、描いてる。」と描きかけを撮って行かれた。

たいしてうまくもないスケッチの「描きかけを見られる」というのは、なかなかに緊張するものである。

だけれど、先日、
私の友人で素晴らしいミュージシャンでもある某氏が、
「1セット終わるごとに絵が進んでいるのが見られる。一緒にライブをやっているようなものですよ」
と言ってくれた。
このひとやっぱり分かってはるなあ、と嬉しく思った。



曰く、音楽は時間芸術、絵画は空間芸術…

しかし見たくて見てくれるひとが一人でもいるのなら、
描かれるひとが喜んでくださるのなら、
「描いてる途中」をあえて見ていただくのも有り、なのかもしれない。



DSCN1625.jpg


(円い染みは、パステル専用定着液のものです。たぶんあとで消えてます)


なにぶん、フルートという楽器に馴染みが薄いので、
「手がどうなってるのか」がよくわからない。



RSCN1626.jpg
▲鉛筆を使った部分はどうしても鉛色の反射が強く、写りづらい



描かれてしまった久家さんは、たいへん喜んでくださったけれど、
私としては、右手が少し…なんというか「掴めていない」気がするのだ。

フルートの実物を間近で見せていただくと、右手の小指が使うキーはちょっと引っ込んでいる。
描いているあいだはそれがよく分からず、
したがって右手の動きがどこか曖昧なままになってしまった。



しかし、「曖昧なままに、とにかく描く」というのもスケッチの経験のひとつである。

絵は写真に憧れつつ、
(そして写真は絵画に憧れつつ)、両者は決して歩み寄れない。
そのときに眼が感じとり、手が表現し得たものだけが絵として残るのだ。



自分の未熟さがさらされてしまうライブ・スケッチ、
それでも何故だかやめられません。






tya-sann_20150802224248e00.jpg
▲マスターK氏とこのチャーさん


チャ「あんた、こないだぼくのヘンな画像いろいろ公開したよね…」
筆者「す、すいません…」


眉間にしわ寄ってても可愛いチャー先輩なのでした(笑)










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  1. 2015/08/02(日) 22:55:51|

プロフィール

猫足

Author:猫足
京都生まれ、本業は工芸デザイン。
なのに趣味も絵。われながら不健康だと思います。


〔筆者近況〕

先日、帰りが遅くなり急いで歩いていたら、
「あたらしい餅」
と書かれたのぼりが立っていた。

そりゃ古いよりはいいだろうけどさ、
…とよく見ると、
「みたらし小餅」だった。

こんな調子でいろいろ誤解してないか心配である。

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