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雨音のする画廊

「Kawaii」の系譜、琳派400年



今年の京都は「琳派四百年記念」に沸いている。


ほんとに、どこまで沸いているのかはよく分からないが、
工芸・デザイン業界の片隅から眺めていると、
官民挙げて、あらゆる筋を総動員してこの年を盛り上げようとしているようである。

なにをもって400年かというと、
琳派の始祖とされる本阿弥光悦が、京都・鷹ヶ峰の地を拝領し、「光悦村」と呼ばれる芸術コミュニティを興したのが1615年。


「琳派」は、狩野派などのように世襲でなく、
時代を超え「私淑」という形で受け継がれてきた日本独自の装飾芸術。


何年何月に始まったと厳密に決められるものでもないだろうが、
これを機に京都の工芸界が盛り上がり、
なおかつデザインの問題に改めて取り組めるのならば、良いことだと思う。


…ただ、
京都の工芸界というのは、
普段からじゅうぶんに琳派の影響をうけているのだ。

ことさらに「今年は琳派で」と言われても、正直どこをどうすればいいのか分からない、
そんなところが多そうである。


私も、もともと琳派が好きで、
大規模な展覧会があればそのためだけに東京まで行ったこともあった。
琳派記念の年に絡めた仕事も多少はしている。

…でも正直、節目だからといって画期的なアイデアが沸くわけではない。



しかし、琳派の名品を観られる機会は確実に倍増するわけだから、
今年はとにかくたくさん観て、考える機会にしたいと思っている。



これもそんな機会のひとつだった。



img050.jpg




高島屋京都店にて、細見美術館所蔵の琳派作品の展覧会があった。
バタバタしていたのでうっかりチェックし忘れて、
取引先の社長さんに教えていただいて慌ててかけつけた次第。


宗達・光悦、光琳・乾山のはそれほど多くなかったが、
抱一がずいぶんたくさん出ていて、意外だった。

琳派を好きになった当初は、華やかでデザイン性に優れた尾形光琳に主に惹かれていたが、
今は「江戸琳派」をひらいた酒井抱一に限りない魅力を感じる。
筆の先の先まで神経が通っているかのような繊細さ、
秋の草むらに風が吹き抜けた一瞬をとらえる、緊張感ある画面構成…

…あ、話がまた長くなるので続きはまた(汗)


閉館までに一時間しかなく、もっとじっくり観たかったのにと後ろ髪引かれつつ、
そして店員さんのお辞儀をあちこちで受けつつ(あれ照れるのでちょっと苦手)、駅に向かった。




画像はこの展覧会のパンフレットの裏面、英語版である。


右上に、「キレイ・カワイイ・ステキ」と書いてあるのにお気づきだろうか。

キレイとステキはとにかく、
「カワイイ」は世界中にそうとう通用している言葉だろう。



これを見て、
うん、そうだ。と私も思った。
はやりすたりの激しいポップカルチャーでなく、
琳派こそ、日本の「カワイイ」を代表するにふさわしい、と思ったのだ。


琳派の作品には難しい思想はない。
400年の昔から、
観たひとたちに「かわいい、素敵ね、欲しいな」と思わせてきたに違いないのだ。





今年は改めて、
そんな琳派の魅力を探りにゆこうと思っている。

京都に遊びにいらっしゃる予定のかたにも、おすすめです。











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  1. 2015/03/27(金) 00:05:35|
  2. 京都

プロフィール

猫足

Author:猫足
京都生まれ、本業は工芸デザイン。
なのに趣味も絵。われながら不健康だと思います。


〔筆者近況〕

夜間によく吠えてうるさかった近所の犬が、
しばらく屋内にしまわれていたのだが、
最近、外の犬小屋に戻ってきた。

彼は、このひと夏で何か学習したのだろうか。


しばらく観察します。

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