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雨音のする画廊

「あかるい暗室」に集うひとたちの写真展



先日、実家からいろいろ貰った中に、新鮮なプチトマトがあったのだけれど、
それは正直な話、ぎょっとするような色をしていた。

暗い赤の地肌に、緑色がまだらに入っている…(゚д゚)


とにかく味見、とばかりに一粒口に放り込むと、
皮が固く甘味が薄く、
はっきり言って生で食べるには不味かった。


むむう、
なんとかしておいしく食べたい。

…かといって、むやみに手間をかける気力もない。

まず、たっぷりめのにんにく(←必ず国産を使用のこと)をオリーブオイルでじわじわ熱しておいて、
パスタが茹で上がる少し前に、件の不気味なプチトマトを刻んで投入。

トマトのだしが出たかなという頃合いで、麺を茹で汁少々とともに放り込んで、
ハーブソルトなどお好みの味付けをしてできあがり♪


…これ以上手を抜くところがないくらいのものだが、
これが妙においしくできましたよヽ(´∀`)ノ



思うに、
「そのままでは不味いプチトマト」って、かなりパスタ向きなのでは…?

普通のトマトより水分が少なくて味が濃い、
しかも、
甘くない分、加熱したときに風味が生きる…みたいな。


皆さまも、
もし「ハズレ」のプチトマトに当たってしまったら、
無理して食べたり、捨てたりせず、
手抜きでいいのでパスタにしてみてください(笑)

(まあ加熱する料理ならなんでもいけると思いますが)







さて、少し前の日曜の夜、
お馴染みの写真専門ギャラリー、
galleryMainに行ってきた。


とある作品展を「7月末にやりますよ」、とお知らせをいただいていたのだが、
私もなにかとバタバタしていて、
最終日の夜にはなんとか行けるなとサイトをよく確認すると、「クロージングパーティー」と書いてある。

一生治らぬ重度の人見知り(苦笑)なので、これは困ったなと思ったが、
暗室教室の初回作品展への興味が勝ったのでやっぱり行くことにした。


木造の階段を上っていくと、あきらかにいつもより賑やかで気が引ける。

出展者の、「あかるい暗室教室。」の生徒さんたちと講師陣が一堂に会していた。




akarui.jpg




楽しげな雰囲気の中、なるべく音を立てないように紛れ込んだ。
しばらく緊張していたが、
誰も「あなたはなんですか?」などと言ってこないので(当たり前だが)、ほっとして作品を鑑賞する。



私は写真を撮らないし、ましてモノクロ手焼きプリントというものが「なんでそうなるのか」、まったくわからない。


でも、自分の手元から、こんな像が現れてきたら…

「これは愉しすぎる」「ハマるにちがいない」
…と思いながら、暗室の生徒さんたちの思い思いの表現を眺めた。



思うに今は、「写真を撮る」という行為が、
ものすごく簡単になってしまっている。

スマホでさくっと撮っても、それは「写真」だし、
事実、思いがけない事件や事故に遭遇した場合、
素人だろうとその生々しさがプロカメラマンの写真を上回る価値を持つこともあるだろう。



(本当は、
デジタル全盛の今も、本当にいい作品を作りたいと思えば、
センスに加えて相当な努力、手間、そして費用がかかるということは知っているが)




報道写真、記念写真…ではなく、
記録あるいは個人的な記憶、
そして表現=芸術としての写真。

(↑はからずも、「役に立つ順」みたいになってしまった)


後者が決して途絶えないとすれば、
「フィルムから印画紙にプリントする」ことを選ぶひともまた途絶えないのではないか。


それはちょうど、音楽の世界で、
レコード(そしてカセットテープまでも!)が再び脚光を浴びているのに例えられるかもしれない。

さらに、電子書籍がどんなに普及しても、
紙でできた本を求める人がいなくならないことにもつながる。



こういう楽しみを解する大人たちがいなくなったら、
アナログの文化は滅びてしまうのだろう。
…滅びないまでも、コストが上がりすぎて、
結局間口が狭まってしまうのだと思う。





そんなことを言いながら、デジタルだろうがアナログだろうが写真は「観る専門」に徹する筆者だが、
この作品展は文字通り、
「写真は光によって出来ている」ことを再認識させてくれてとても見ごたえがあった。



「世界で初めての写真」から、正確にどのくらい年月が経っているのかよくは知らないが、
どんなに進化しても、写真とは基本的に、
光とその不在(=陰影)を紙に写し取るものなのだろうと思った。



数枚のプリントは、まさにそこで水に漬かっている。
あるいは洗濯ばさみで宙に釣るされている。
展示中に作品を増やしていくひともある(講師のN氏だが)。


美術館で、すでに歴史となった作品を、
「シルバーゼラチンプリント」と書かれた展示として観るのもいいが、
私はこのなまなましさに心を動かされた。





生徒さんと同時に、講師の方々の作品も出品されていて、
…これはもうやっぱり鑑賞者への圧が違う、迫力が違う。


作風はばらばらでも、
彼らは「モノクロプリントでしかできないことをしている」
と言えるのではないだろうか。






…人見知りあるある、だと思うのだが、
「誰か一人でも知ってるひとがいれば、なんとかその場の皆さんとお話できる」。


で、この日は、
講師兼ギャラリー主催の中澤さんがいらしたので、
講師・生徒さん取り混ぜて出展者の数人のかたとお話しでき、とても面白かった。

(中澤氏は、ご自身もすぐれた写真家なのだけれど、
私のような観るだけのものにもいつも楽しく解説してくれる、すてきなギャラリストでもあります)






写真とはなにか、

そしてあらゆる情報がペーパーレスで行き交うようになった時代に、
プリント(しかも手焼き)とはなんなのか。



写真の趣味を持たない自分は完全に部外者ではあるけれど、
よく考えるとそれは、
京都の工芸業界のレゾン・デートルにも関わってくる広い問題でもある、
…ような気がした。





なんかわかったようなことをいろいろ書いたけれど、
筆者は基本的には写真のことはなにもわかってないし、
わかってなくても観て楽しめる。




みるだけでなくやってみたいひとはぜひ、ワークショップに参加してみてください。

「あかるい暗室教室」が何を生み出してゆくのか、
いち傍観者でしかないけれど、すごく楽しみにしています。








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  1. 2018/08/14(火) 23:50:13|
  2. 未分類

今日の絵葉書:錆びた壁面Ⅰ



「暑いですね」
…という挨拶がわりの一言さえ出ないことがある。


熱気の塊の中で茫然自失。


先週木曜の夕方、仕事中に、筆者もとうとう熱中症になりかけました。
気をつけてはいたんですが…



まず気持ちの悪い冷汗、そして脚ががくがくしてひどく歩きにくくなった。
なんとか冷房の効いたところに移動し、座って目を閉じたかと思うと、10分か15分ほど深く眠り込んだようだ。

そのあと動けるくらいに回復はしたが、
しばらくは気分が悪くて何をするにもゆっくりだった。



熱中症は軽く済んでも怖いですね。いきなり来ます。



皆さまにおかれましても、
それぞれ気温など関係なしに果たすべきつとめを負っていらっしゃるとは思いますが、
これは非常事態です。

「熱中症にならない」ことを最優先になさってくださいね。






さて、この夏もようやく折り返し地点(だと思いたい)、
いくつも記事を書けるくらいにいろいろなことがあったのだけれど、
なんだかやっぱり体力が全体的に落ちていて、どうも筆が進みません。


誰が待っているわけではなくとも、それはまた改めて書き上げるとして、
今日は絵葉書のみアップしておきます。




img127-2.jpg




オイルパステルで、錆びはじめた壁面。

少し前から、なぜか「白」が気になる。
「染まっていない白」、その対極にある「塗りこめた白」。

なにかを覆うために塗った白が、錆びたり剥がれたりしているところに出会うと、ひどく眼をひかれる。



ではまた。









  1. 2018/08/06(月) 00:39:30|

目の遣り場



「裸体なんていうのは、そう美しいものではないな」


(ちくま文庫・内田百閒集成21「深夜の初会」より、座談会での井伏鱒二の発言)





あの恐ろしい大雨の後、
異常な暑さがやってきた。


私の職場は、オフィスでなく「工房」なので、まんべんなく空調を効かせるというわけにはいかない、
ほんといかない(#^ω^)


ただでさえここは酷暑でその名を馳せる京都である。


まだ7月なのに、もうだめだもう京都いやだ、と思うのだが、
今回の豪雨災害で避難生活を送っていらっしゃる方々、
復旧作業に当たっておられる方々のことを考えると、とても愚痴を言ってる場合ではない。


…ないけれど、自分がいま熱中症で倒れても誰のためにもならないのだから、
過剰なほどに水分補給しながら頑張ります(*`へ´*)






こう暑いと、もうできるだけ軽い服装をしなければならない。


最近はユニクロだけでなくあちこちのお店で、
暑さに対処する機能を持った、
それでいて安価な服や小物がいろいろ売られているので本当にたすかる。

「涼しい生地」は、まさに科学の進歩の恩恵ですね。



だがそういう話とは別に、
(そして流行とも無関係に)
「暑いんだから、出していいでしょ」という一派が、にわかに勢いづくのもだいたい今頃だ。



…よくはない。
いいかもしれないが、時と場合による。


ビーチでそれなりに露出するのはご自由にどうぞという感じだ(筆者は夏の海辺などには行かないから)。


だが電車の中などで、若い女性が、
構造上これ以上短くできないというくらいのショートパンツで、
これ以上太い腿がありうるかというくらいの太腿を投げ出しているのを見ると、

「きみ、ちょっとはひとの迷惑も考えてみたまえ」
…という気持ちになる。



「眼の遣り場がない」というのは、実害があるわけではないが相当うっとうしいものである。

なんかの条例違反ではないのだろうか。





img126_20180718222834ca7.jpg
▲デニムを切ったようなやつで、この「ポケットの内布」が出ているのはなおさら見苦しい




冒頭の、裸体はそんなに美しくない、という意見を思い出すのもそんなときだ。



もともとの人体の持つ美しさを否定するつもりは少しもない。
だがやっぱり、人たるもの、
TPOに合った露出のしかたはちゃんと考える必要があるだろう。


なにも女性だけではない、
暑さをいいことに脱ぎたがる男性も困りものだ。

(そして、気温とか関係なしに「裸」で笑いを取ろうとする安直な芸人を、筆者は決してゆるさない)



こうなると私だけの感覚かもしれないが、
用もない精肉売場を眺めさせられているような気分になるのである。




目の前に誰もいなくても暑苦しいのに、
締まりのない肉体を強制的に見せられては、たまったものでない。





冒頭に挙げた本は、
作家・内田百閒の座談会の収録ばかりを集めたものである。


百閒に井伏鱒二、というと、
(井伏鱒二をあまり読めていないので「太宰治の師匠」というイメージがいちばんに来る)
これはもうひねくれおやじ同士の対決ということになるのだろう。

…というか、なっている。


だが、こと<色気>という論点については、
「露出してればいいってものではない」ということで一致していた。


この先生方とは、性別も年齢も、生きている時代も違うが、賛成である。





「慎み」
…なんていう言葉を持ち出すと、古いとばかにされそうだ。

しかし、老若男女問わず、
体型も季節も関係なく、

ひとを魅力的に見せるのは、一にも二にもそういうバランス感覚なのではないかと思うのだ。





だからくれぐれも無理のない範囲で、
熱中症対策と、夏ならではのお洒落とを、
なんとか両立させていくことにしましょう。






…偉そうなこと書きましたが筆者は、
仕事中、手ぬぐいに保冷剤を包んで首に巻いてます。



夏のお洒落って何さ(´∀`;)

























  1. 2018/07/19(木) 23:41:23|
  2. 未分類

Like a sketch



突然だが、
手を描くのが苦手である。


手だけなのかというと、
以前にも書いたとおり私は人物を描く訓練をほとんどしなかったので、
人を描くのが全体的に不得手だ。

仕事には不必要だからと言い切ってしまってもかまわないのだが、
「ジャズのひとたちを描く」という趣味がある以上、
「手を描く」というのは避けて通れない課題である。


課題などと言いつつどうでもいいような話で申し訳ないけれど、
趣味というのはたいがいどうでもいいことばかりで、
そんなこと言ったらブログなんてもの自体(以下略




…さて、
ジャズのひとを描かせていただきたいわけだが、
三条御幸町のleclubjazzのように、スケッチの自由にできるライブハウスはそうはない。

これは何も、お客さん無断でスケッチは困りますよと言うお店がある、ということではない。
ただ、
ルクラブの環境が整いすぎているのでよそではやりにくい、というだけのヘタレな話だ。



じっさい筆者は、大阪でいちばんお馴染みのスポットJazz on Topの真ん中のテーブルで、堂々とスケッチをしているひとを見たことがある。

あんなにお客どうしの間隔が近くてもできる腕と度胸がうらやましい。



私も、できれば苦手な「手の表情」をよく見て描きたい、こっそりと。


…というわけで、ひさしぶりに、
動画を撮っておいて、いいとこで止めて、それを見て描くというズルを発動した(´∀`;)

先日買ってみた異常にずっしり重みのある鉛筆(コンテ・ア・パリ、B)の描き味を試しながら、ざっくりスケッチふうに描く。




この日Jazz on Topで演奏されていたのは、
フィリップ・ストレンジ(p)、
荒玉哲郎(b)、
斎藤洋平(ds)
の各氏、
これはもう最高というほかないピアノトリオである。


この日私が座っていたのは、偶然にもあの日フランス人のアーティスト氏が座ってスケッチをしていたのとほぼ同じ位置だった。

そこからはドラムスを描くのは難しいようで、
ピアノとベースだけ描いてらしたと思うのだが、
座ったお客の分布が違うのかこの日はピアニストもよく見えなかった(というか撮れなかった)。




img124-3_20180626230434a62.jpg




(偶然、前列にいらしたお客さんの手もなかなか良かったのだった)



荒玉さんはほんとに不思議なかたで、
筆者がジャズを生で聴くということを覚えた最初期のころから十数年拝見してるにもかかわらず、
ほとんど歳をとっておられないのではないかという感じがする。

ベースってこんなに表現力豊かな楽器なのか!
…と、未だに毎回驚かされてしまうのだけれど、
必殺スケッチ人として特筆すべきはそのフォームの美しさである。


休み時間にまじまじ観察していると気持ち悪いだろうからしたことはないが(笑)、
たぶんもともと均整のとれた形の腕と手をお持ちなのだろう。


だがそれ以上に、無理のない、無駄のない動きが綺麗なのだと思う。

以前はもっと肩の張ったベースを使ってらしたので、今はなおのことスムーズなのが見てわかる、ような気がする。




この日は、写真家無花果氏こと吉村さんもおいでになっていた。

お会いするのは一年ぶりくらいだと思うが、
あいかわらず身軽な雰囲気で、
さして大きくはない鞄のどこにそれが入っていたのかというレンズを装着して、演奏者に狙いを定めていらした。

射撃の選手のようでもある。
何分の1秒というシャッターチャンスを窺うのだからそれはそうだろう。


クロスして見える手の表情がじつにいい感じだったので、
こちらもモデルにさせていただきました。

(注:無許可である。吉村さんすみません)



img125-2.jpg



鉛筆、色鉛筆にすこしだけアクリルの白。





…たまにはこんなふうに、周りの目を気にしないでのんびりスケッチ(の練習)をするのも楽しい。
だけど、もっとたくさん描かないと人物はなかなか上達しないな、と思った。



モデルにされてしまう皆さんごめんなさい、だが今後ともよろしくお願いします。




そして、
…こんどは美女の手、狙います






※1 インストのジャズばかり聴きに行っていると女性ミュージシャンにお会いすることが相対的に少ない
※2 手を描きたいのなら美女でなくてもいいはずだがそれは言いっこなしである

























  1. 2018/06/27(水) 00:35:20|

小さなラジオ



先日の地震から一週間が経った。


私の住む京都市の西側は震度5強、あの阪神大震災のときとほぼ同程度の揺れにおそわれたけれど、
身近の範囲では、電車が止まった以外に大きな被害や混乱はなかったようだった。

しかしニュースにもっと詳細な情報が上がりはじめると、
大阪府北部を中心にした様々な被害の大きさが分かりだし、あらためて恐怖を感じた。


3.11以降も日本各地で震災は起こってきたのだが、
やはり本当の身近で起こるまでは、誰もがどこか油断してしまうのだと思う。


数年前に購入した携帯用のラジオ、
しまい込んでいたわけではないが、手に取ってみると少し埃がついていた。




DSCN2214.jpg
▲オレンジ色が、昔の家電っぽくていいと思ったのだ



…充電池の残量がなく、手回しでしか聴くことができなくなっている。

すぐに電池を充電器にセットし、
非常用の乾電池も買ってきておいた。



私はもともとテレビよりラジオが好きなのだけれど、
最近は便利なインターネットで聴くことが多くなっていた。

しかし、災害時にネットが使えるとは限らない。


小さくともSONYクオリティなところがお気に入りで、
一時は毎日使っていたこのラジオ、
油断する自分への警告をこめて、
この仕事部屋にいるときにはすぐに手に取って使えるようにしておこうと思った。




また大震災が起こったら、自分の命があるとは限らない。
それは仕方がないとしても、
こんな自分を救助するために、誰かに命を懸けさせてしまうかもしれないのだ。



そう思うと、
最低限の備えは必ずしておかなければならないな、
…と認識を新たにした筆者です。





  1. 2018/06/25(月) 22:27:05|
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プロフィール

猫足

Author:猫足
京都生まれ、本業は工芸デザイン。
なのに趣味も絵。われながら不健康だと思います。


〔筆者近況〕

あんまり暑くて食欲のない日、
帰りに寄ったお店で、
塩茹で済みの枝豆を買うことがある。

ある日ふとシールを見ると、
「原材料に大豆を含む」、
と書いてあった。


そらそやな…

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